逆子の灸

今回のテーマは「逆子」です。

なんで逆子をテーマにあげたかと言うと、最近逆子で来院されてる患者さんがいるので今回のテーマにしました。

さてさて皆さん。

「逆子」ってなんのことか知っていますか?

いきなり逆子と言われても分からない方もいると思うので、まずは逆子の説明をしたいと思います。

・逆子(骨盤位)とは・

ふつう、お腹の中の赤ちゃんは頭を下向きにしていますが、何らかの原因により頭の向きが上向きになったり横向きになったりしている状態を逆子といいます。

妊娠初期から中期にかけて、赤ちゃんはお母さんのお腹の中で自由に動き回っていて、妊娠中期には半分くらいが逆子であるとも言われています。

それが妊娠後期では、赤ちゃんの頭が次第におおきくなり、重力に従って重い頭が自然に下向きになっていきます。

妊娠後期になって、28週を過ぎた頃に頭の向きが下向きにない場合に逆子と診断されます。

逆子って危険性はないの?って思いませんか?

そこで、危険性について少しお話します。

逆子になると、母親の身体と赤ちゃんを結ぶへその緒が頭より先に出てしまう事になります。

この時、へその緒が産道に挟まり、赤ちゃんの脳への血液循環が悪くなってしまうと、赤ちゃんは危険な状態に陥りやすくなります。

この為、産院では分娩の際にこの逆子を認める場合は、そのほとんどが帝王切開を選択しています。

っと言うような危険性があります。

なかなか恐いですね。

では逆子になってしまったらどうしたらいいか。

方法は色々あると思いますが、我々は東洋医学の考えに基づき治療をしていきます。

そこで東洋医学における逆子の治療とは何かという事について説明をしたいと思います。

逆子のことを東洋医学では「胎位異常」または「胎位不正」といいます。

胎位が異常(逆子)になっても、胎児が足を蹴飛ばして前転するような動作を繰り返していけば、自然に位置が戻るという考え方で、胎動を増加させる目的で灸治療をします。

逆子に関係するものとしては、「任脈」「衝脈」「腎」「肝」「脾」という経絡や臓腑が考えられます。

これら経絡を巡る気血の過不足を鍼灸で整える事と、昔から逆子の特効穴として使われているツボにお灸治療をしていきます。

<灸治療で治す逆子・逆子に効くつぼ>

「腎」「肝」「脾」の三本の経絡が交差する「三陰交」というツボは、子宮を巡る気血循環に大きく作用と、子宮の緊張を弛める作用もあります。また、安産のお灸としても知られています。

(三陰交の取り方は、内くるぶしから指4本上で骨のきわに取ります。指圧すると痛みがあるのでわかりやすいと思います。)

さらに足の小指末端にある「至陰」というツボは「腎」に関わりが深く、また陰と陽の境目にあるというツボの特性から、逆子の状態の上下の逆転した赤ちゃんの頭を正常な位置に矯正する作用があります。

(至陰の取り方は足の小指で、爪の外側、爪の生えてる部分と爪の外側の線を結んで交わる所に取ります。)

また、逆子が治った後も、逆子に戻らないように出産ギリギリまでお灸治療をつづけることが大事です。

逆子の灸治療は早めに始めた方が治りやすいので、逆子とわかった時点で治療を開始することをお勧めします。